Trip Notes -旅のメモ-

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鳥取の伯耆富士-大山まで遠征してきたよ。最大瞬間風速35.9mの暴風とホワイトアウト登山。

      2017/07/28

青空の大山

大山、、、daisen。

大山と聞いて、関東方面の人なら丹沢の大山(おおやま-標高1,252m)を思い浮かべることでしょうが、関西方面の人なら大山(大山の弥山(みせん)-1,709.4m)を思い浮かべることでしょう。今回の目的地は鳥取県。中国地方、及び鳥取県の最高峰で独立峰の大山です。

大山のことを伯耆富士とも言うらしいのです(読めなかった...)。ほうきふじ、と読むそうです。伯耆大山(ほうきだいせん)とも言うんですって。

標高1,709mと決して高い山ではないのですが、日本百名山の一つに数えられており、独立峰らしい美しい山容です。

行きたい!と思ったのは四国の山仲間さんたちが2月に大山に行った時の映像や写真(↑の写真)を見せてもらったから。その稜線の美しさと厳しさに魅了されました。

しかし、東京から行くには遠い。遠すぎる。。。でも、いつかは冬の大山に行きたいなぁと思っていた矢先に、昨年白山日帰り(というか0泊2日)を決行&運転してくれたテン泊さんが「大山行くよ」と…。と、鳥取まで車で行くなんて?!マジか!?でも、行きたい!!

大山(鳥取)の遭難事例について

行く前に要チェック☆遭難事例を調べておきましょう。大山の遭難事例については、鳥取県警察のホームページ、とりねっとで確認することが出来ます。とりねっと

コースについて

ルート 大山寺橋・南光河原駐車場(07:08)→(07:11)夏山道(大山寺橋側)登山口→ (07:14)夏山登山口→ (08:00)三合目→ (08:25)五合目(08:28)→ (08:32)行者谷分かれ(08:34)→ (08:50)六合目避難小屋(08:58)→ (09:47)八合目(09:50)→ (10:08)石室方面との分岐→ (10:20)大山頂上避難小屋(10:32)→ (10:38)大山頂上碑(10:46)→ (10:50)大山頂上避難小屋(10:52)→ (10:58)石室方面との分岐→ (11:03)八合目(11:05)→ (11:23)六合目避難小屋(11:39)→ (11:51)行者谷分かれ→ (11:54)五合目→ (12:50)大山寺→ (13:05)大山寺橋・南光河原駐車場
歩行距離 6.50km
所要時間 山行 5時間3分
休憩 56分
合計 5時間59分
メンバー 4人+1匹

参考にしたもの

「山と高原地図 大山・蒜山高原」です。GPSデータはiPhone版の「山と高原地図」で取得しています。

登山口までの交通

19:20頃、都内某所に集合して出発。途中で釣り人くんを拾い、高速道路で途中3回の休憩を挟み大山の登山口のすぐ近く、南光台河原駐車場へさくっと駐車して仮眠します。こちらの駐車場はトイレが完備されています。素晴らしい~。(個室の扉がどうしても閉まらなかったけど。)
南光台河原駐車場トイレ

駐車場まで来るまでの間に問題が。高速道路を降りてから南光台河原駐車場に直接向かうと、コンビニが一つも無いのです。食料や水は事前に調達したほうが良いですよ。食料を調達できなかったことが、後々悲劇を生むことに...。

2016年2月27日 伯耆大山日帰り登山 夏山登山道で弥山へ-六合目避難小屋まで

6時起床。周囲を見渡すと4時台に到着したときはまだ少し空きがあった駐車場も満杯になっていました。南光台河原駐車場

今日は悪天候予報なのにみなさんやる気ですね!で、いろいろと準備していると、テン泊さんがパスタを少し分けてくれました。7時過ぎに出発して登山口に向かいます。

夏山道(大山寺橋側)登山口(07:11)

夏山道(大山寺橋側)登山口

今日のメンバーは四国のねこさん、アニー。関東からはテン泊さん、釣り人くん、ぽこ。計4人+1匹です。ちなみに、全員ハードシェルジャケットがアークテリクスです。
大山夏山登山道

一番元気で楽しそうに嬉しそうに登るのはいつもアニーちゃんです。ほんとこの登山犬はすごいですよ!
アニーちゃん

スタートはアイゼンなしで、てくてく歩いて行きます。
大山夏山登山道

一合目

大山夏山登山道一合目

三合目(08:00)

大山夏山登山道三合目

四合目

じわじわ雪が深くなってきましたね。
大山夏山登山道四合目大山夏山登山道900m

五合目(08:25)

このあたりから周囲の木々が樹氷に変わってきました。
大山夏山登山道五合目

すこーしだけ青空が見えて、樹氷と空のコントラスト。美しいな~って景色はこの辺りが最後だったかも(笑)
大山夏山登山道の樹氷

樹氷の中を歩いていきます。樹氷が風に吹かれてパラパラと落ちてくるのでフードを被ります。
大山夏山登山道の樹氷

六合目避難小屋(08:50)

六合目避難小屋に到着しました。4人入ると一杯ぐらいな小さい小屋です(もっと詰めればもっと入るかも)。小さすぎてトイレと間違えた。小さいけれども、あるだけで有り難い位置にある小屋です。アニーちゃんが内部をチェックっ。
大山六合目避難小屋

ねこさんの指示で小屋の前でアイゼンを装着、ピッケルも装備します。ここから先は、今まで歩いてきた道のりとは違う世界が待ち受けているらしいです。

小屋から下を見下ろすと、バックカントリーの人が。風があるので、スノーボードが風にあおられて大変そうです。
大山六合目避難小屋

六合目避難小屋から頂上避難小屋まで

本当にここから別世界です。風が強くて視界がっ!!急いでゴーグルを付けます。てゆうか、アイゼン着けたときに一緒にゴーグルも装備するべきでした。
大山夏山登山道

大山夏山登山道

どんどん周囲が白くなって眺望が無くなっていきます。かすかに見える登山道を示す青いポールと今年の冬に登山者が歩いた登山道を頼りに登っていきます。
大山夏山登山道

登山道は踏み固められて固くなっていて、一見同じように見えても道をはずすと、場合によっては腰まで落ちます。
大山夏山登山道

しばらくすると、釣り人くんの様子が、、、七合目あたりで釣り人くんがダウン。休憩を希望したので少し休憩します。どうやら完全にシャリバテ(ハンガーノック)のようです。朝ごはん調達できなかったから!!釣り人くんの顔をよく見ると、眉毛やメガネが凍り付いている!
ほんの少し風が弱まったところで釣り人くんに暖かいお茶を飲んでもらって、ジェルも飲んで、、、と休憩します。しかしそんなにすぐには復活しません。テン泊さんに「ぽこは先にねこさんと行って」と言われます。釣り人くん大丈夫かなー。しかし、少し弱まっているとはいえ暴風の場所にずっといるわけにもいかないし...(低体温症というのがあってだね)。とりあえず先に進むことに。
大山夏山登山道八合目あたり

ねこさんとアニーは超速いので、もちろん追いつかず、しばらく歩いていると後ろからテン泊さんが追いついてきました。「あれ?釣り人くんは?」「あの場所でちょっと休憩するって」「えっ!あんな風の強いところで?!大丈夫かな?!?!」「あんな風の強いところにずっといるほど釣り人くんはアホじゃないよ。とりあえず山頂に行って急いで下山しよう」

どんどん風が強まってきます。テン泊さんが自慢の風速計で風速を計ると30m超えてました!うひょ~~~人生最大風速じゃんっ!!ピッケルでバランスを取りながら登りますが、時折風にあおられて千鳥足になります。フラッとして登山道(踏み固められた箇所)を外れると、ずぼっと腰まで踏み抜き、抜け出すのに苦労します。よっこらしょっとなんとか抜け出し暴風の中を登って行きます。
大山夏山登山道

頂上付近になると、登りが緩やかになります。木道が何か所か出てきますが、風にあおられて脇に何度か落ちました...。背後のテン泊さんからも時折「わぁっ~!!」(落ちた声)が聞こえてきます。途中の木道で、背中から風に押される感覚を感じて走っていたら、一瞬空を飛ぶような感覚に!そしてまたすぐにバランスを崩してコケる。
大山夏山登山道

大山頂上避難小屋(10:20)

もうそろそろ小屋のはずなんだけど、、、少しだけ不安になりながら歩いていると、目の前にぼわっと浮かび上がる建物が。頂上避難小屋だ!大山頂上避難小屋
しかし、登山道のどこをどうやって下りて小屋に入ればいいのか?うろうろしているとテン泊さんが「こっちだよ」と、どっかその辺から登山道を降りて小屋に入っていきました。

小屋の中は風がないだけでとても暖かい。ねこさん&アニーと男女のペアがいて、後から5人ぐらいのグループがやってきました。
大山頂上避難小屋

ここで、ねこさんが文旦、しかも皮がむいてあるやつをふるまってくださった!甘酸っぱくておいし~~!!文旦を頂いてから、小屋のすぐ近くにあるはずの弥山(みせん)頂上に向かいます。小屋から数分なのに、視界が3mぐらいしか無いからどこにあるのかよくわからない!けど、テン泊さんがなんとか見つけてくれて無事に写真撮影。なんの写真なのかわからん状態です。。
弥山(みせん)頂上

で、小屋に戻ろうとするけど、トレースが風で吹き飛ばされてしまって、今度は小屋がどこにあるのか分からない!なんとか小屋に戻るとねこさんが焼肉をふるまってくださいました。ありがとうございます。焼きたてのお肉美味しい~!
大山頂上避難小屋で焼き肉

さて、一足先に、ダッシュで釣り人くんと分かれた場所へ急ぎましょう。

大山頂上から行者登山道経由で南光台河原駐車場へ

小屋を出るとますます風が強まっていました。風にあおられながら、登山道の脇に何度か落ちながらよじ登りながら下山していきます。途中の案内板も見えない読めない(笑)
2016227 大山_9245_R

釣り人くんと分かれたあたりまで下山したけど、すでに釣り人くんはいませんでした(当たり前だ。あのままいたら死んでしまいます。)

六合目避難小屋(11:23)

六合目避難小屋に到着しました。人がたくさん。釣り人くんはいるかな。。。?と中を覗き込みますがいません。おそらく先に下りたのでしょう。ここでテン泊さんが「釣り人くんを追って先に下山するから、ぽこはねこさんをここで待って、ねこさんと一緒に下山してきて。ねこさんがここで誰とも合流できなかったら戸惑うと思うから」。はぁい。というわけで、ここでねこさんを待つことに。

ねこさん登場(11:35)

避難小屋の中で休憩していると外から「あ~!わんちゃんかわいい~~」って声が聞こえてきます。アニーちゃんとねこさんだ!急いで準備をして外に出ると、焼肉を食べ終えて急いで下山してきてくれたアニーとねこさんが。「釣り人くんと合流できなかったので、テン泊さんは先に下山しました。ここからわたしと一緒に下山してください」と伝えて、2人+1匹で下山することに。

六合目避難小屋から上は更に暴風度アップしているようで、引き返す人々がたくさん出ているようです。小屋の前にはツアー?か山岳会の10人程のグループがいました。リーダーさんが暴風の中声を張り上げて「ここから上は暴風です!ここ(小屋の前)で耐風姿勢の練習をしてから上に行きます!おそらく引き返すことになると思います!引き返す前提で行きますのでその覚悟で!」って話をしていました。ほんと、すごい暴風だったんですよっ。

アニーちゃんが一時行方不明

アニーちゃんは登りも下りも元気一杯。そのあとを追うぽこ。六合目避難小屋から下は風も大分弱まり、それでも10m以上はあるかとは思いますが、上と比べればよゆーの天国!!さくさくっと下山していきます。

ねこさん、アニーちゃん、ぽこの順番で下山していたところ、アニーちゃんがうろうろし始めます。ねこさんを見失ってしまったみたいで。。。様子を見ていると、だいぶ前にねこさんがいるのに、ねこさんを探して上に行っちゃった!

あぁぁぁ、どうしよう「アニーこっちだよー!!」と呼びかけてもぽこの声には反応してくれません。基本的にねこさんにしか反応してくれないのです。そして、アニーを見失ってしまい、あわあわわ、どうしよう、ねこさんをダッシュで呼びに行くしかないかっ!?と思い、下りかけたところでかなり先まで降りたねこさんが戻ってきてくれました!ねこさんが「アニー!!」と呼びかけるとどこからか出てきました。。。ああぁぁぁぁ見つかって良かった(涙)アニーちゃん、顔周辺のふわふわな毛に湿った雪が凍り付いて視界が狭いみたい。
雪だらけのアニーちゃん

取って上げようとするけど、カチコチで全く取れません。とりあえず、アニーを再びリードにつないで下山します。

行者谷分かれ(11:51)

夏山登山道と行者登山道の分岐点です。
行者谷分かれ

そいえば、テン泊さんから先ほど「行者ルートで下山するね」と連絡があったので、ぽこ達も行者登山道で下山することに。こちらは全然人がいなくて快適!ねこさんとアニーもスピードアップ!ほんとあの「1人+1匹」は速いんです。必死についていきます(いや、付いていけていない。)
アニー真っ白
時々良い斜面でシリセードしてみるものの、雪が湿っていて思うように滑れなかったのが残念。

トレースを追っていると、小屋を通らず全然違うところにでてしまいました。ねこさん「登山道あっちなんだけどなー。トレース辿ってたら下に降りてしまった!」。GPSで場所を確認しながら、南光台河原駐車場を目指します。

渡渉したり。
大山渡渉大山

大山寺の脇を通ります。
大山寺

なんかいる...。
大山寺

鳥居をくぐって駐車場へ。
大山寺

駐車場に到着すると、テン泊さんとすっかり元気を取り戻した釣り人くんがいました。みんな元気に無事下山。アニーちゃんの顔の氷もすっかりとれてよかった。

下山後の温泉-豪円湯院

南光台河原駐車場から徒歩5分ぐらいの豪円湯院へ(大人600円)。入浴料金お手ごろなのに、冬季キャンペーン中で豆乳バナナプリン(300円相当)をプレゼントしてくれた!ということは入浴料300円ってこと...?凍った状態で渡してくれて、湯上りに食べると丁度良い頃合いに。ちなみにシャンプー・コンディショナーが別でした。ポイント高い。豪円湯院の豆乳バナナプリン
お風呂上りに食べながら「明日どうする~」「ねこさんは雪彦山行くんだって~」「伊吹山もいいけど、雪彦山もいいかもねぇ」「四国からみっちゃんも来るらしいから行っちゃう?」「雪彦山って関東の人間からしたら全然知らない山だから、こんな機会が無いと今後も行くことないかもしれないし」「じゃー、雪彦山にしよー!」というわけで、明日の行き先決定!!!

帰りに豆乳(150円)を買って飲んでみました。これ、すっごい美味しいです。まるで「豆腐をそのまますりつぶしたかのような」超濃厚~なとろみでとっても美味しかったです。ゆずこしょうを入れて飲んだら美味しそうな感じ!生姜醤油もいいな。。。
豪円湯院の豆乳

帰りに寄った牧場から見た大山はとても壮大で美しい形でした。さっきまであそこにいたんだなぁ。。。
大山

下山後の食事は堺港の「峰」へ

入浴後は「せっかくなので鳥取の美味しいもの食べよう~」ということで境港に移動。しかし、ねこさんが教えてくれた目的のお店は18時からの営業だった...。そこで食べログで検索っ。そして見つけたお店が「
堺港の峰

ぽこは、天ぷらもお刺身も食べられる梨花(りか。りんかではない。)(1,890円)を注文。天ぷらもお刺身も煮物も美味しかったけど、特にイカのお刺身が甘くてとっても美味しかった~。
堺港の峰の梨花

すごく豪華な晩御飯♪嬉しい、楽しい、美味しい♪
堺港の峰

食後は、車で4時間程のところにある、兵庫県姫路市にある雪彦山登山口駐車場へ移動。テントを張ってから、テン泊さんのブログ用の写真撮影をして就寝。ねこさんとアニーちゃんは車中泊。オヤスミーーっZZZZzzzZzzzz雪彦山登山口駐車場

まとめ

  • 大山は単独峰なので上へ行けば行くほど風が強まることが多いようです。冬は特に。今回は、間違いなく人生最大瞬間風速でした。
  • 実は後でわかったのですが、最大瞬間風速は35.9mでした。IMG_1587_R真っ直ぐ歩くことは難しいのですが、なんとか前に進めることは分かりました。もう、25mぐらいまでなら平気な気がする。。。(細い稜線とかは落ちるので無理ですが)
  • 下山直後から、太ももと背中が今までの登山経験からはあり得ない筋肉痛になりました。風に倒されないように相当筋肉を使っていたらしいです。
  • 今回は、これはこれでとても楽しかったけど、やっぱり青空の大山も見たい!来年、また青空のときにまた再挑戦したいねっ!

活躍したアイテム

テン泊さん愛用の風速計はこちら。風速計があると雪山登山が楽しくなりますっ。オススメ。

続く。

雪彦山日帰り登山。岩場とクサリ場が一杯のレジャーランド♪

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