Trip Notes -旅のメモ-

登山・トレッキング・テント泊・縦走・雪山・オリエンテーリング・山道具や海外旅行女性一人旅などに関するブログ

厳冬期の谷川岳日帰り登山。ホワイトアウトで視界真っ白。天神尾根で雪崩の跡を乗り越えたよ。

      2017/04/01

天神尾根

山仲間のトレランくんが友達と谷川岳に行くというので、それを尾行する山行です。いや、それは冗談ですけど。初めて(軽めのだと思うけど)ホワイトアウトを経験したり、強風が続いて顔が痛くなったり、雪崩た直後の雪崩デブリを見たり、とても良い雪山経験になりました。やっぱり雪山やる人はドMなのかもしれない...。

コースについて

ルート 天神平(09:04)→(10:16)熊穴沢避難小屋→ (10:54)天狗の留まり場(10:55)→ (11:49)谷川岳・肩の小屋(12:01)→ (12:12)谷川岳(トマノ耳)(12:16)→ (12:20)谷川岳・肩の小屋(12:21)→ (12:40)天狗の留まり場(12:43)→ (13:03)熊穴沢避難小屋(13:33)→ (14:16)天神平
歩行距離 7.48km
所要時間 山行 4時間21分
休憩 56分
合計 5時間17分
メンバー 2人

参考にしたもの

「山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山」です。GPSデータはiPhone版の「山と高原地図」で取得しています。

登山口までの交通

早朝に都内某所に集合。テン泊さんの車で登山口のある谷川岳ベースプラザの駐車場へ向かいました。いつもありがとうございます!

「下山はスノボーで田尻沢コース滑っちゃおう♪ロープウェイ代節約になるしっ。滑れるしっ。」とわくわくしていたのに「積雪不足のため閉鎖」でちょっとがっかりしているテン泊さんでした。

2016年1月31日 天神尾根経由で谷川岳山頂ピストン

良い天気予報を見て、冬の西黒尾根を登りたいなぁ、、、と思いながらわくわくっ。しかし、当日、谷川岳ベースプラザに行くと谷川岳周辺だけに雲がかかっていて山頂のほうは真っ白、、というか何も見えません。さすが谷川岳!あんな悪天候の中、西黒尾根行ったら死んじゃうかも~!というわけで、あっさりロープウェイ利用の天神尾根に計画変更。

ロープウェイのチケット売り場に行くと、いつも一緒に登ってもらっているトレランくんとそのお友達の3人グループと会います。えー偶然~。

今日のメンバーはテン泊さんとぽこの2人です。

ロープウェイに乗って天神尾根を登ります(JAF会員割引で往復1,960円)。
谷川岳ベースプラザ

ロープウェイ乗り場は白くて寒かったけど、上に行くとさらに白い景色です。けれども、思ったよりは寒くはないです。
谷川岳ロープウェイ

天神平(09:04)

登り始めはノーアイゼンでガシガシ登ります。
天神平

急登が終わり平らなところに出たので、ワカンを装着します。ワカンを装着していると後ろからきた10名程の団体さんが右側に歩いていきます。さらにあとから来たソロの男性は左側に歩いていきます。ん...?!

ソロの男性が少し戸惑いながらも「あれ、こっちですよね??」テン泊さんが即座にGPSを確認「そうですね。」そして、団体さんに向かって「すみません~山頂にいくならあっち(左側)ですよ~」と教えてあげていました。雪山はトレースが見つからなかったり見えないと大変。ちょっとしたところで迷ってしまいますね。
天神尾根

ワカンを装着すると途端に歩きやすくなりました。谷川岳はすぐに稜線歩きができるのが魅力。でも、今日は遠くは殆ど見えない状態です。手前の山は見えるけど、谷川岳山頂は奥にうすーーーく見える?ぐらいの状態です。
天神尾根

テン泊さんはスノーシューもアイゼンも持っているけど、装着しません。できるだけ道具に頼らないで進む練習だと思います。でも、時々後ろを歩くテン泊さんから「わぁ!!!」って声が聞こえてきます。雪にはまった時の声です。

横から強風が吹きつけてきて顔が痛くなったり、突然無風になって暑くなったり、、フードをかぶったり脱いだり、ハードシェルのベンチレーションを開けたりなどなど、体温調節しながら進んでいきます。雪山はいろいろ面倒ですが、そこんところはしょうがないです。

テン泊さん「あれが熊穴沢避難小屋だよ」。ぽこ「ふぁっ???」

熊穴沢避難小屋(10:16)

ただの棒じゃないですか。棒が2本。1本立っててもう1本は倒れている、みたいな。
積雪期の熊穴沢避難小屋

いや、埋もれているんですってば、この下に。参考までに10月に谷川岳に行ったときの無雪期の写真。すごい~~~。これが全部雪に埋もれて上に出ている棒だけになってしまうんですね!横に倒れている棒みたいなものは、屋根の端の部分です。
無雪期の熊穴沢避難小屋

小屋を掘り出す遊び、をしている人たちがいました(トレランくんグループ)。もちろん、掘り出すのは無理ですよ。いやぁそれにしても、泊まろうとしていた避難小屋がマジで雪に埋もれてる!全部埋もれてる!って状態になることが雪山では多々あるようなので事前の情報収集や準備が不可欠ですね。
積雪期の熊穴沢避難小屋

熊穴沢小屋避難小屋を過ぎてさらに進んでいくと、締まった雪質になってきました。テン泊さんが「アイゼン着けるね。そろそろ滑ったりしたらヤバいから~」。そして、アイゼンを装着した直後から「わぁ!歩きやすい!わーいわーい!」とはしゃいでおりました(注:初心者ではありません)。ここまで相当頑張っていたのですね...。

歩き進むけど、何も見えまないです。カラフルなウェアがいかに大切かが分かりますね。全身白いウェアなら透明人間になれるレベルの白さです。あと、強風で顔が痛いです。
天神尾根

さらに進んでいくと、10数名の団体さんが一気に降りてきます。えぇ?もう下山?!前日からどこかに泊まっていて下山するところなのかな、、、と想像。さらに、せっかく付いているステップを盛大に壊しまくりながら降りてきたのが印象的ー(棒読み)。と、思ったら、後で知ったのですがどこかの山岳会の方たちでした。後からまだまだたくさんの人たちが登ってくるのになー。仮に自分たちが作ったステップだとしても、ザクザク盛大に壊していいものなのか、、、初心者のぽこには分かりません...。マナー的にはどうなのかなーと。

雪崩発生

さて、さらに天神尾根を登っていると、上からバックカントリーの男性が。テン泊さんが「今日はどちらを滑るんですか?」と聞くと「マチガ沢(谷川岳山頂よりも北にある)を滑ろうと思っていたんですけど、ホワイトアウトで引き返してきました。肩の小屋の手前で雪崩を起こしてしまったので気をつけてください。山岳会の人も引き返したみたいで...。それなので、今日は西黒沢を落とそうと思ってます!」

な、なんだって!!!な、雪崩?!さっき引き返してきた団体さんは山岳会の人たちだったのですね!と、ここで知ります。

な、雪崩か、、、ドキドキしながら登っていくと、大分前に進んでいたはずのトレランくんグループがトレースの脇で休憩しています。「どうしたの~」と聞くと「雪崩が起きたのと、一人アイゼン忘れちゃったので引き返します」とのこと。そんなにすごい雪崩なの...?

とりあえず見に行きましょう。ということで登っていくと雪崩の跡が見えてきました。通りすがりの登山者のみなさん、みんな撮影大会。おおおぉぉぉ、、、、雪崩ってこんなことになるですね!実物を見たのは初めてです。
天神尾根の雪崩デブリ

なにこれ、、、
天神尾根の雪崩デブリ
天神尾根の雪崩デブリ

雪崩のデブリの塊。初めて実物を見たのですが、想像以上に大きかったです。
天神尾根の雪崩デブリ

3層になっているのが見えます。
天神尾根の雪崩デブリ

雪崩跡の隙間を縫ってみなさん登って行きます。
天神尾根の雪崩デブリ

層の厚さは70~80cmぐらい?想像以上に大きい規模の雪崩でした。ほぼ登山道の真上で雪崩が起きたのですね...。巻き込まれた人がいなかったのが奇跡では...。トレランくんグループはかなり先行していたので15分ぐらい速かったら巻き込まれていたかもしれないです...(涙)

そして、雪崩の脇を通り雪崩の始点へ。「どうしようかなぁ、、、どうする?戻る?」と歩きながら考えていると、先行者の登山女子2名が雪崩の境目高さ120cmぐらい?をガシガシ削ってよじ登っています。ほぉ、あぁするのですね。。テン泊さん「よし行こう。雪崩の始点の真下に留まって考える方が危ない。

ぽこもワカンのままよじ登りに挑戦!ず、ずり落ちる~~~とあわあわしていたら背後からテン泊さんがワカンを支えてくれてなんとかよじ登りに成功。ふー。

谷川岳・肩の小屋(11:49)

雪崩の始点を乗り越えてさらに進んでいくと10分もしないうちに谷川岳肩の小屋が見えてきました。
谷川岳・肩の小屋

小屋の扉。雪で小屋の扉が埋もれたら、扉の左横にある梯子を上って、扉の上の小さい扉から入るシステムのようです。
谷川岳・肩の小屋

営業は終了しているけれども、少し扉が開いていたので開けてみると休憩室が開放されていました。休憩室の手前の土間でワカンからアイゼンに付け替えます。ここまで、強風と視界不良の連続だったので、風が遮られるだけで安心します...。

肩の小屋の前にある鐘も真っ白、エビのしっぽが付いています。
谷川岳・肩の小屋

アイゼン装着したし、さくさくっと山頂を目指しましょう!アイゼンがザクザク効いて歩きやすい~。

視界が真っ白すぎます。。10m先も見えないような状態です。テン泊さんが「ホワイトアウトしていると平衡感覚失うよ(笑)ちょっと一人で歩いてみな~」と言うのでホワイトアウトの中に一人で突っ込みます(背後からはテン泊さんが見ている状態で)。ホントだ!なんかクラクラします。視界がないと本当に何がなんだか分からなくなる感じになります。
本当のホワイトアウトになったらどうするべきか...考えさせられました(無闇に動き回るのは禁物だろうとは思います。)

真っ白の世界の中、ぼんやりみえてくるケルン。
谷川岳ケルン

ちなみに、10月はこんなんでした。う~ん、爽やかな景色。。。(うっとり)
IMG_8766_R

谷川岳(トマノ耳)(12:12)

固い雪面を選びながらトレースを見つけ、谷川岳1つ目の山頂トマノ耳に到着~!真っ白です!
谷川岳(トマノ耳)

オキノ耳にも行けたら良いな、とは思っていましたが、真っ白すぎるので戻ることにします。

下山していると、スノーボードを背負ってスノシューを履いている、バックカントリーの人々がたくさん上がってきます。
天神尾根

下山をさくっとスノーボードやスキーで降りることができたら楽しいだろうなぁ、、、雪崩についてお知らせしたら「下で聞きました」とのことでした。あっという間に話は広まるんですね。
天神尾根

天狗の留まり場(12:40)

天狗の留まり場

下山するにしたがって晴れてきましたよ!
天神尾根
天神尾根

熊穴沢避難小屋(13:03)

熊穴沢小屋避難小屋のあたりまで戻ると、手を振っている人がいます。トレランくんです。近づくと、雪洞を掘って遊んでいました。「天井が薄くなってしまった。」と嘆いていました。確かに薄い。。。帰りはちゃんと他の人が踏み抜いて落ちたりしないように壊していました。
熊穴沢避難小屋

天気もいいし、ここで少し休憩しましょう。トレランくんグループ、男性3人でキャピキャピ遊んでいるのが微笑ましい~~です。休憩しながらトレランくんグループとお話ししてたら、食べ物飲み物いっぱいくれました!ありがとうございます〜。

天神尾根

あれ、本当に山頂のホワイトアウトが嘘のような天気になっています。
天神尾根

ここの下りは少しだけ緊張しました。ステップを崩さないように、慎重に~。
天神尾根

下山の最後の方で、綺麗な山々の眺望を楽しむことができました。
天神尾根

メレンゲみたいな雪面だなぁ。。。
天神尾根

ロープウェイ駅がある天神平スキー場が見えてきました。ガラガラのスキー場です。
天神平スキー場

スキー場はなんて良いお天気なのでしょうか...。
天神平スキー場
天神平スキー場

天神平スキー場でソリ遊び

スキー場の脇に「ご自由にお使いください」と書かれたソリがたくさんあったので、トレランくんグループのみなさんと滑ってみました!スピードが出てたのし~~です。方向を修正しようとするとすぐに落車します。
天神平スキー場でソリ遊び

下山後のソフトクリームと温泉

谷川岳ロープウェイのビューテラスてんじんでソフトクリーム(350円)を食べます。ここのは本当に美味しいですよ。本当は、ソフトクリームが乗っているコーヒーゼリーを頂きたかったのですが、まさかの売り切れ!!!でした。
IMG_1583_R

ソフトクリームの後はロープウェイでさくっと谷川岳ベースプラザに戻ります。ロープウェイに乗りながら、閉鎖されている田尻沢コースを眺めていると、閉鎖されているのに勝手に滑っているスキーヤーが1名いらっしゃったのでじーっと滑りっぷりを観察しているとあっという間に到着します。
2016131 谷川岳_7279_R

下山後は車で5分ほどの鈴森の湯へ。駐車場一杯で別のところ(施設の方が教えてくださいます)に車を駐車しました。満車だったから温泉はさぞかし混んでいるんだろうなぁと思っていたのですが、どういうわけか女湯ガラガラ。。男性が多いのかな?と思ってテン泊さんに聞いても「空いてたよ」とのことで...。あの満車はなんの満車なのだろうか、と謎なのでした。IMG_1584_R

まとめ

強風に長いこと吹かれて顔が痛くなったり、ホワイトアウトで真っ白で平衡感覚をなんとなく失う感覚を体験できたり、雪崩発生直後の雪崩デブリの様子を観察することができてすごく良い経験になりました。こう言ったら変かもしれないけど、すごーく楽しかった!!です。

今回活躍した道具はこちら

普通のワカンですが、スノーシューと比べると軽量なのが特徴です。

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