白峰三山縦走(4/4) 農鳥岳から奈良田までの暗闇下山
2019/10/14
ぽこ(@TripNotes_poco)です。
滑落した遭難者をみんなで助け、警察と連絡をとり、無事に救助要請ができたので時間に余裕のあるおにいさんに連絡係を引き継ぎ先に進むわたしたち。
この記事は
の続きです。
2019年10月6日 白峰三山縦走(4/4) 農鳥岳から奈良田までの暗闇下山
(10:55)西農鳥岳(11:20)
西農鳥岳、本日4回目の登頂です。警察と連絡するために何往復もしたから。
農鳥岳に向かって歩いている間も滑落したおじさまのことが気になって仕方ない。
ところであの手際の良い男性はなんと外科医ー!内科でも眼科でもなく外科医ーーー!おじさまが滑落したのは残念だったけど、外科医がすぐ側にいたなんてラッキーすぎるよ。
道理で手際がよく「すぐに手袋して、骨が見える傷口の中まで手を入れて洗浄してた」そうで、さらに「すぐロキソニンを飲ませてた」そうです。本物のプロやわー。一般人ならなかなか骨にまで触れないと思う...。
あの、連絡手段を持っていないという素通りしたガイドってなんだったんだろう。お客さんの写真撮る係の人なんすかね?(※正直にディスってます(・ω・))
おじさまのことが気になりすぎて、少し進んでは後ろを振り返り、目立つオレンジ色のエマージェンシーシートを見て「あれならすごく目立つからきっとすぐにヘリに見つけてもらえるね!」なんて話しながら進みます。
(12:00)農鳥岳(12:39)
さて、農鳥岳に到着しました。
やった!ついに白峰三山達成~!!!わーいわーい!!!
(まだ下山していないので喜ぶのはまだ早い...。)
しかし、まだ救助のヘリはこないのです。そっちの方が気になるっ!
いつ来るんだろう、、、とみんなで話していると青い山梨県警のヘリ はやてがパラパラパラパラとやってきました。「ぽこちゃんが呼んだヘリが来たっ!」「きっとあれだよね?!」しかし、遭難者を探す様子もなく、ぐるっと辺りを一周して引き返していくヘリ。「ええ。。。」落胆しているとわたしの電話が鳴りました。
「はい、ぽこです」「ぽこさん、今、農鳥岳にいらっしゃいます?」「はい。わたしは今農鳥岳にいますが、現場は西農鳥岳です。で、連絡係は別の男性に引き継いだのですが…」「…タカダさんですかね?」「そうです。その方です。」「ではそちらにかけてみます。」
そう言って通話は終わりました。なんだろ、連絡経路がうまく伝わっていないのかな?!不安になりながらも、農鳥岳から現場の様子を見守ります。
はやてが引き返して約20分後、山梨県警ヘリのあかふじ(かな?)が来たーー。今度こそちゃんと救助してあげて!
ヘリはすーっと現場へ向かい、すーっとロープで隊員さんが降りてきて、
降りたと思ったら想像以上の速さですーっと救助してヘリは去って行きました。隊員さんを下ろして引き上げるまで1分もかからなかったような気がします。あんなに早く正確にピンポイントで救助隊員を下ろす操縦士のスキル凄すぎる!ってぐらいスムーズでした。日々、訓練していらっしゃるのでしょうね。
あとで高田さんに聞いて分かったけど、ザックごと救助されたみたいです。
余りにも速すぎてちゃんと救助したのかイマイチ見えなかったけど、たぶん救助できたのだろう。一安心。さっ、安心できたところで先へ進もう!
後で写真を見ると、ちゃんと隊員さんがおじさまを抱えている様子が分かりました。
この日は北岳でも滑落があって、天候の関係で救助が翌日になった人もいるようなので、いろいろ考えてもおじさまはラッキーだったと思うのです。以下の記事の一番下が今回の遭難です。
「右足を負傷した」ってすごく軽く書いてあるけど、骨が見えるほどの裂傷で歩けないほどですからね!
おじさまのラッキー4つ。
- 滑落が10m程で止まった
- たまたま外科医が近くにいて応急処置が速かった
- 丁度日曜日で登山者が多く、6人の連携プレーがうまくいった
- 現場周辺の天候が良く、その日のうちに救助された
滑落は不幸なことでしたが、いろいろなラッキーが重なって無事に救助されたのです。本当に良かった。
これで安心して下山できます。ホッ。大門沢下降点まで緩い道を歩いていきます。
(13:11)大門沢下降点(13:18)
さて、大門沢下降点から樹林帯に入り、奈良田までは約2000m程の激下りです。
結構道が荒れていて、歩きやすいとは言えないです。南アルプスだなーって感じがしました。平らなところもあるけれども、基本的に↓こんな感じが結構続きます。
小屋までがかなり長くてキツかったです。足の親指がいたーい。
(15:48)大門沢小屋(16:07)
大門沢小屋に到着すると、大声で現場との連絡係をしてくれた男性が外のテーブルに座っていました。「お疲れ様で~す!」
もう16時、さっきの遭難事故で2時間半以上は時間を使ったからな...。できることならここでテン泊していきたいところですが、えりーちゃんが「よしっ、行こうかっ!」。ニコちゃん「行きますか!」
...わたしも頑張ろう...。
大門沢小屋からの登山道もかなり悪くて、なかなか時間を巻くことができません。
当然ながら途中から真っ暗になり、そんな中、つり橋を渡ります。
山と高原地図が少し古くて「道は良い」って書いてある林道が土砂崩れを起こしていたり、道自体が結構変わっていて、しかも暗闇。苦労しました...。
(20:00)奈良田バス停
そして無事に奈良田バス停に到着。無事に1泊2日で白峰三山縦走をやり遂げて感激はひとしおです!わーいわーい!
奈良田温泉女帝の湯が閉店済みだったのが少し残念でした。
まとめ
- エマージェンシーグッズの中身を再度見直したいと思います。
- 滑落事故に遭遇したり、帰りは暗闇になったりといろいろあったけど、何よりも人助けができて良かったのです。
- 大門沢の下りはもう二度と下りたくないなぁ。かといって登りたくもありませんが...。
- 素通りガイドにオコ。
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