カミナドーム・オニドームなどの軽量2人用長辺出入り口テントを比較してみた
2017/05/13
夏にベースキャンプ型の山行を計画し始めたぽこ(@TripNotes_poco)です。
ベースキャンプ型の登山をするなら、居住性を重視したいので2人用で且つ、出入り口が長辺、重量が1.5kgぐらいまでのテントが良いな~と思い、比較・検討してみました。
使用しているテント
ぽこが通常使用しているテントはビッグアグネス フライクリークUL1Exです。軽くて設営が簡単(吊り下げ式)で見た目もカッコよくてカラーも好きなテントなのですが、風に弱い(北アルプスの大天井岳の風でポールが曲がった)のと内部が狭いのが難点。でも、良いテントなんですよ!
長辺出入り2人用軽量テントを比較するよ
検討に上がったのは以下の4つ
ファイントラック カミナドーム 2 | アライテント オニドーム2 | |
設営サイズ | 間口212×奥行130×高さ105cm (前室張出60cm) |
間口166(最大240)×奥行157(就寝部115)×高さ98cm |
収納サイズ | 本体:8×17×27cm ポール:39cm |
本体:31×14φcm |
重量 | 1,280g(インナー、フライ、ポール)+150g(ガイライン、収納袋、ペグ8本) | 1480g(本体+フレーム+フライシート) |
グランドシート重量 | 220g | 250g |
素材 | インナー&フライ:ナイロン100%(PUコーティング) ポール:ジュラルミン |
本体:28dnリップストップナイロン フライ:30dnリップストップナイロンPUコーティング シート:40dnナイロンタフタPUコーティング フレーム:NSL9フェザーライト(DAC社製) |
インナー | ノーメッシュ | ノーメッシュ |
スノーフライ対応 | 対応予定 | 対応予定 |
ファスナー形状 | ストレート | カーブ |
設営方式 | スリーブ式 | スリーブ式 |
メーカー国 | 日本 | 日本 |
本体価格(税込) | ¥66,960 | ¥50,760 |
グランドシート価格(税込) | ¥7,776 | ¥5,508 |
本体+グランドシート | ¥74,736 | ¥56,268 |
プロモンテ VL25 | ニーモ タニ LS 2P | |
|
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設営サイズ | 間口205×奥行120×高さ100cm (前室張出60cm) |
間口220×奥行130×高さ104cm (前室張出80cm) |
収納サイズ | 本体:25×ø15cm ポール:37×ø5.4cm |
未掲載 |
重量 | 1450g(インナーテント+フライシート+ポール) 約150g(付属品) |
1230g(最小重量) |
グランドシート重量 | 245g | 235g |
素材 | フライシート:20Dポリエステルリップ(ポリウレタン防水加工) | 本体:20Dナイロン/メッシュ フライ:15D PUナイロン フロア:20D PUナイロン |
インナー | ノーメッシュ | ノーメッシュ |
スノーフライ対応 | あり | なし |
ファスナー形状 | ストレート | ストレート |
設営方式 | 吊り下げ式 | 吊り下げ式 |
メーカー国 | 日本 | アメリカ |
本体価格(税込) | ¥46,440 | ¥61,560 |
グランドシート価格(税込) | ¥4,428 | ¥6,156 |
本体+グランドシート | ¥50,868 | ¥67,716 |
各テントの特徴
ファイントラック カミナドーム2
ツェルトやドライレイヤーなどで人気のファイントラックがついに今春、2016年3月にテントを発売しました。それがカミナドームです。キャッチコピーは
目指したのは、「あきらめない」超軽量テントです。
機能的な部分を諦めずに軽量テントを目指したということのようです。7デニールのリップストップナイロンを独自に開発し、国内生産に拘ったテントです。7デニールなんて聞いたこともない薄さの生地でテントを作るために、各所に縫いこんだダイニーマテープで補強し、テントの骨格のようにしています。重量は1人用で1120g、2人用で1280gと超軽量(ガイライン、収納袋、ペグ8本は除く)。
「遊び手が作り手」がキャッチコピーのファイントラックは魅力的なギア類が一杯のメーカーです。ホームページの作り方や宣伝の仕方も上手。マテリアルの薀蓄を延々と語られるの、男性は好きでしょう。わたしも好きです。きっと中に優秀な広報担当の人がいるんでしょうね。毎回期待しちゃいます。
アライテント オニドーム2
こちらも純国産メーカーアライテントの新作テント、オニドームです。こちらもカミナドームと同じく今春2016年3月に発売開始されました。
アライテントには、ポールを3本使って広い前室を実現したドマドームという快適なテントがあるのですが、重い(2人用で重量が2.0kg)のが難点でした。そこで、ポールを1本減らし、2本のポールでペグダウンをしなくても「それなり」の広さの前室を実現したのがオニドームです。通常のテントはペグを打たないと前室ができませんが、2本のポールを通すだけで、ペグを打たなくても前室ができるなんて!技術的に枯れた市場だと思っていたテント業界にまだこんなアイデアがあったんだ!すご〜い!と感激せずにいられませんでした。アライテントさんすごい。
ちなみに何故、オニドームなんてネーミングなのか...それは、テントを上から見ると鬼の形なんです。個性的なネーミングです。
ドマドームにしろカヤドームにしろ、アライテントのネーミングセンスは絶妙です。分かりやすいネーミングは小林製薬に通じるものがある...。
ただ、ファイントラックと比べてしまうと、アライテントは宣伝があまり上手くないなぁと思います(Webサイトが昭和風だったりして)。ファイントラックはすごく宣伝や広報がうまい!期待や興味をそそる宣伝の仕方をするんです。アライテントも広報を上手くやったらもっと売れるんじゃなかろうか、、、
プロモンテ VL25
こちらも国産メーカープロモンテのテントです。吊り下げ式テントを最初に発表したのは1971年のダンロップが最初だったそうですが、その技術と伝統を受け継いで作られた軽量テントがプロモンテのVLシリーズです。2人用で1450gと軽量で、吊り下げ式だから設営しやすいです。また、一般的なテントの素材はナイロンが多いのですが、プロモンテのVLシリーズはポリエステルを使用しています。ポリエステルは「水を含みにくく」「すぐ乾き」「劣化に強い」からだそうです(だが、それなら、なぜ他のテントメーカーではあまり採用されないのだろう...。重量の問題でしょうか?)
ニーモ タニ LS 2P
今回の比較の中で唯一の外国勢です。ニーモは2002年にアメリカで設立された新しいアウトドアメーカーです。
「日本の山岳用テントの新たなスタンダードとなることを目指し、 NEMOチームが開発したダブルウォールテント」として、ニーモ タニシリーズが開発されました。
とのことです。素材は全てにおいて軽量素材を使っており、実はカミナドーム2より軽いです。でも生地は厚いのですよね。ポールとかの強度が違うのかな?
比較した感想を語ってみるよ
価格
ファイントラック、高い!!というのが第一印象です。国産で輸入関税がかかっていないはずなのになんという強気の値段設定なのか...これは誰もが思うところでしょうが、それだけ自信があるのでしょう。価格で躊躇する人多数ですよね。
重量
ファイントラックのカミナドームは「軽量テント(2人用で1280g)」とは言っても、もっと厚い生地(15デニール)を使用しているニーモ タニLS 2P(1230g)より重いのです。せっかくファイントラックのテントなんだからグランドシート・ペグを含めて1Kg前後を目指して欲しかったなー、と勝手な期待。カミナドームは4シーズン対応をうたっているのでその分どこかが補強されているのでしょうか。プロモンテVL25は今回の比較中で一番重い(1450g)のですが、「素材がポリエステルで水を含みにくい=縦走中に重量が増えにくい」ということらしいです。なるほど(?)
デザイン・見た目
ぽこがすきなのはニーモ タニLS 2Pですが、オニドームを除けば正直どれもそんなには変わらない気がしています。
ファスナー形状
ファスナーはストレートの方が壊れにくいです。プロモンテVLシリーズの商品ページには以下の記載があります。
●テント入り口のファスナーが直線の理由
過去30年以上、山岳テントを企画し続けていますが修理依頼のトップはファスナートラブルです。ファスナーを曲線で使用すると、もともと直線構造のファスナーは何百、何千回と開け閉めするうちにどうしても無理がきて破損の原因となります。
VLシリーズは、ファスナーの負担にならないようにファスナー本来の形である直線ファスナーを使用しています。また、ファスナーを閉めれば必ず、同じ場所でスライダーがありますので、アクシデントで緊急の脱出の必要があるとき(例え夜間でヘッドライトがなくても)に、容易にスライダーを見つけ入り口を開けて脱出することができます。
これを読んで「ほぉなるほど。確かにストレートのほうが壊れにくいだろう」と納得!
使い勝手は?
カミナドームとオニドームは、内部に入って横になってきました。
ファイントラック カミナドーム2
長辺出入りテントなので出入りは普通にしやすいです。サイズ感じは一般的なテントといった感じで特に可もなく不可もなく、、、(つまらない感想ですみません。でも、本当にそんな感じなんです。)テントの内部にはループがたくさんついていて、ランタンをつりさげたり、細引きを付けたり、ロフトを設置したりといろいろとカスタマイズの余地がありそう!と思っていたのですが、実はこのループ、冬季の内貼り用のループらしいです。
アライテント オニドーム2
オニドームは2人用でテントの奥側と手前側(土間側)で長辺の長さに差があります。身長160cmのぽこが手前側に寝てみたところ、長さはまぁ大丈夫だったのですがシュラフに入ったら頭や足が結露した壁面に触れてしまう感じでしたので、寝るなら奥側に寝て手前側に荷物を置くしかないなと感じました。もし、2人で2人用のオニドームを使用するなら150cmぐらいの人じゃないと手前側には寝れない気がする...。あと2人で寝ると荷物を置く場所がキツイです。ドマドームなら土間におけるのですが、オニドームの土間はザックを2つ置けるようなスペースはないように思います。よって、オニドーム2は1人で使うのが正解かなぁと感じました。または、大人1人と小学生までの子供1人とか。
プロモンテ VL25
プロモンテVL25は使用している友人が2人いるので、感想を聞いたところ2人が2人とも「フライシートとポールを結ぶ紐を結ぶのが面倒」という答えが返ってきました。全然接点がない2人なのに回答が同じて(笑)びっくりしましたが、ネット上で検索すると同様の箇所に不満を持っている人がいるみたいで改造方法などを載せている方もいました。みんな同じ悩みなのか。
ニーモ タニLS 2P
ニーモ タニLS 2Pですが、調べてみるとどうやら「プロモンテのVLシリーズを研究してニーモを作り上げた」説がありました。なので上に出てきた、プロモンテVL25のよくある不満点「フライシートとポールを結ぶ紐を結ぶのが面倒」な箇所がマジックテープを使用することによって解消されているんです。
「日本の山岳用テントの新たなスタンダードとなることを目指し、NEMOチームが開発したダブルウォールテント」たる所以でしょうか。
カラーリング
どうしても気になるのがテントのカラーリング。カミナドームはファイントラックらしい独特のカラーリングだな、、、と感じました。生地が薄いから透けにくくするためにカラーを濃くしているのかも(?勝手な想像です)。アライテントのオニドームもオレンジ色が激しすぎる気がします。これらエマージェンシーカラーというのも大事ですが、個人的にはニーモ タニLS 2Pがカラー的に落ち着きます。次は、プロモンテVL25がいいな。黄色すぎない少しくすんだ色がいいです。オニドームはそのうちグリーン系のフライシートを出してくれるような予感がしています。ただ、本当はプロモンテVL24のレッドが好きでした。
今回紹介したテント
ファイントラック カミナドーム2
アライテント オニドーム2
プロモンテ VL25
ニーモ タニLS 2P
まとめ
- オニドームはペグを打たなくても全室ができるなんて便利ー!
- 実は、7デニール生地のファイントラックカミナドームより、15デニール生地のニーモタニ LS 2Pの方が軽い。
- ニーモのタニはなんだかオシャレな印象。カラーリングもいいし、吊り下げ式というのも好み(ただ、スリーブ式よりは風に弱いです)。
- まだ悩み中だけど、今のところのNo1候補はニーモかも。
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