北アルプス3泊4日(3/4)3日目は三俣山荘から憧れの雲ノ平ピストン
2017/07/28
昨晩からずーっと悩んでいました。「当初の計画通り三俣山荘から雲ノ平をピストンする」か「雲ノ平方面に移動して最終的に折立に下山するか」。朝起きた瞬間「やっぱり登山計画通りに雲ノ平ピストンにしよーっと」と決定。なぜならば、折立に下山すると交通手段が面倒...。ゆっくり準備をして出発しました。
の続きです。
コースについて
ルート | 三俣山荘(07:44)→(08:19)黒部川水源地標(08:20)→(09:33)祖父岳分岐→(10:01)スイス庭園→(10:27)雲ノ平山荘(11:34)→(11:51)奥日本庭園(11:52)→(12:11)アラスカ庭園(12:12)→(12:29)奥日本庭園(12:30)→(12:43)雲ノ平山荘(12:44)→(13:36)祖父岳分岐(13:37)→(14:26)黒部川水源地標(14:29)→(15:05)三俣山荘 |
歩行距離 | 13.63km |
所要時間 |
山行 6時間5分
休憩 1時間16分
合計 7時間21分
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メンバー | 1人 |
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参考にしたもの
「山と高原地図 37 槍ヶ岳・穂高岳 上高地」です。GPSデータはiPhone版の「山と高原地図」で取得しています。
2016年8月8日 三俣山荘から雲ノ平ピストン
三俣山荘(07:44)
雲ノ平日帰りと決めたからには行こう!朝日が出てだ~いぶ明るくなってからようやくテントを出て三俣山荘へ向かいます。ネクターを買って飲み干しました(400円)。ネクターなんて久しぶりに飲みましたねぇ...。
こんな遅い時間に出発するなんて自分ぐらいだろうと思ったら、上の写真のネクターの奥にいる男性が出発していました。しかも、なんとなく行き先が同じっぽいぞ。。
さて、雲ノ平に向けて出発です。
沢沿いに下って、黒部源流方面に向かいます。
一旦、沢を下ってから沢の向こうへ上り返すイメージです。左奥に見える白い道を上って、稜線まで上がるのね。遠いなぁ。。。そして、暑い~!朝、ダラダラしてるから、すでに暑くて汗ダラダラです。
シナノオトギリもそろそろ終わりの時期です。
小さい渡渉を繰り返しながらどんどん下って行きます。水量が増量したら怖そうなポイントもあります。
ウメバチソウ。
こんなところに木道が!急に整備された木道が表れてびっくり。
茶色いカエル。
おや、先のほうから人の声がしてきました。
(08:19)黒部川水源地標(08:20)
雲ノ平方面から歩いてきた方が、黒部川水源地標の前でワイワイ休憩していました。
さて、登るぞっ。。なんだか果てしなくずーっと上に見えるのですが、、、しかも直射日光直撃ルート。マジでここを上がるんですかね...。
暑い中をひたすら上がり、振り返ると向こうの稜線に三俣山荘が見えます。下の写真、稜線の右側です。
歩きやすい道ではなく、まぁまぁの大きさの岩々した登山道です。進むしかないのでひたすら登っていきます。
振り返ると槍ヶ岳!と、、、
画像拡大っ。槍ヶ岳と三俣山荘が並んでた!面白い。
暑いけど、頑張って登る~!写真にハエが写っていますね...。ハエがすごく多い時期でした。
しばらく上って振り返ると...槍ヶ岳が見える範囲が大きくなってきました。
緑の濃い、北アルプス最深部です。
も、もうすぐ稜線に出るかな!?はやくっはやくっ。
ヘリコプターの音がしたので振り返ると、三俣山荘にヘリが来ていました。何しに来たのかは謎です。特に荷物は運んでいなかったので、人を運んでいたのかしら?
で、やっと稜線に出ました~。広い、平らな道!わーい!
稜線をルンルン進んでいきます。なんだ、このカッコイイ山は~~!!たぶん、三俣蓮華岳(?違うかもしれない)。
疲れきってヨロヨロした男性(40代ぐらい?)が向こうから歩いてきました。すれ違う際に「すみません、この先に休めるところありますか...?ベンチとかありますか...?」と聞かれました。「ベンチは無かったと思いますが岩場で休んでいる人はいましたよ。」と答えると「そうですか、そこまで頑張ります。ありがとうございました。」と歩いて行かれました。本当に疲れきっていらっしゃる...。今日はどこまで行くんだろう...と思いながら背中を見送ります。本当にヨロヨロしていて心配になりましたよ。。。屈強そうな男性もヨレヨレになる暑さです。
雲がなくて太陽直撃、の広い登山道。広すぎて迷いそうになりますが、目印がしっかりつけられているので大丈夫です。
先の男性のように疲れて切っている方もいれば、嬉しそうにルンルン歩いている人もいて、ホント人それぞれです。下の写真の右の山は黒部五郎岳(りかちゃんありがとー。)
雲ノ平は着実に近づいてきています。
おーっ!ずーっと先ですが見えてきました!
雲ノ平山荘です。いやはや、しかし、まだまだ先です。右側からぐるっと回りこまないといけない。。
雲ノ平のイメージ写真(?)にもよく出てくる、木道が現れました。
ミヤマリンドウの群生。
(09:33)祖父岳分岐
雲ノ平方面と祖父岳の分岐点です。祖父岳に登るのも良いのですが、今回も華麗にスルーします。ほんと、スルーしてばっかりで今日で3日目なのに、山頂を踏んだのは鷲羽岳だってゆー、、、
さっき木道が出てきたと思ったら、こんな道も出てきます。すべて平らなわけじゃないのが山ですねぇ。そいえば、30代ぐらいのお父さんと5歳ぐらいの女の子がなかなかのスピードでわたしを追い越していきました。すごい親子だわ...。
雲ノ平のキャンプ場が見えてきました。小屋から離れているとは聞いていたけど、かなーり遠い。そして、すごく下ったところにあるのですね。
テントはまだ2張でした。
奥に見えるのは薬師岳でしょうか。
このあたりから雲ノ平キャンプ場にそのまま降りることができそうなのですが「植生荒廃が著しい為」通行止めになっています。ぐるーっと向こう側まで回って雲ノ平山荘方面からキャンプ場に下りないといけないそうで、人によっては絶望するらしいです。
稜線歩きから一転、斜面をトラバースする箇所が1か所あって、ここは注意して歩かないと危ないなと感じました。
イワギキョウ。
トラバースを終えると、再び緑いっぱいの高原の風景になります。
池塘がいっぱいあるんですねぇ~。まさに高原です。
ずーっと続いていく木道。この先に雲ノ平山荘があるはずです。
雲ノ平は広いなぁ。。。しみじみ、、、
キャンプ場との分岐点にたどり着きました。
後ろから人が走ってくるので横にさっと避けたら、昨日三俣山荘のテント場で少し話したおじさまでした。「こんにちはー!あっ!(三俣山荘の)テン場にいましたよね?!」と話しかけられました。
「はい。いました。」「どこに行かれるんですか?」「雲の平散策して三俣山荘に日帰りします。」「そうですかー。僕は折立まで下山しちゃいます。じゃっ。」
と颯爽と走って行かれました。しかも時々ちゃんとスナップ写真を撮りながら。荷物はULじゃないテン泊装備のようでした。三俣山荘から折立まで標準コースタイムは11時間半ぐらいなのですが、すでにもうこんな時間(11時前後)。すごすぎます。
走るおじさま↓ ヘルメットも持ってたから、槍ヶ岳とかに行ってたのかしら...。
雲ノ平山荘手前で、女性2人組とすれ違いました。
(ん...なんだか見たことあるザックだ...?あ...!!)と思って振り返ると、あちらも振り返ってこちらを見ていました(笑)
「ザック同じですね~!」「同じザックの人、初めて会いました!」「その(ぽこが背負っている)ザック、店舗で見ましたよ!いい色ですね!」「お2人のもカッコいいですよ!」
とお互い褒めあって別れました。嬉しい!初めて会った!
(10:27)雲ノ平山荘(11:34)
そして、、雲ノ平山荘に到着っ!
外見は古い感じなのですが、中は手入れが行き届いていてとてもピカピカ!とても北アルプスの奥地だと思えない!きれい~すてき~と女性が喜びそうな山小屋です。
ふぅ~。今朝は、三俣山荘でジュースしか飲んでないから、雲ノ平山荘で何か食べたい。ラーメン...ラーメン食べたい。麺が食べたいというよりも、ラーメンのスープが飲みたい...。
雲ノ平山荘のお食事メニュー
- カレーライス 1,100円
- 焼きそば 800円
- 台湾風チキンライス 大800円 小500円
- おでん 800円
- 白いゴハン 300円
なんと!メニューにラーメンが無いーーー!!!えーーーー!!!
チェーン店(?)の三俣山荘にはラーメンがあったので、こちらにもあるだろうと勝手に思ってた、、、けど無かった!えーーー、、、ショックです。どうしよう、、(打ちひしがれている)
チキンライスは魅力的、、でも、ご飯よりおかずがいいなぁというかおでんのだし汁が飲みたい、ということで、おでん(800円)とビール(650円)を注文。昼間からオッサンのようですが、いいんです。
おでんを待っている間に小屋の中を観察します。じーっ。
おでんを食べながら、三俣山荘からなんとなく付かず離れずの距離で歩いていたソロの男性とお話しました。
彼は、写真が好きで、写真を撮りに北アルプスに来たそうです。「初日は友達と2人で笠新道経由の笠ヶ岳に登ったけど、笠新道はめちゃくちゃキツかったので登らないほうがいいです!」とのこと。なるほど、じゃぁ、今度挑戦してみよう。
「友達は写真を撮らない人だからペースが合わなくて別コースを取ることにしたんです。彼は笠ヶ岳から高天原温泉まで行っちゃいました。」←結構すごい気がする。
さらに、「今まで筑波山ぐらいしか登ったことが無くて、初めてのちゃんとした登山が今回の北アルプス3泊4日テント泊」(すごすぎる...)だそうで。「無茶したと思います。。。」と仰っていました。今日は、三俣山荘から雲ノ平ピストンして双六小屋に移動するそうです。
世の中にはなかなかすごい無茶する人がいるもんだ、、と思った次第です。マジすごい。
あと、「北アルプスは山ガールがいないんですね。そりゃ山ガールはテント背負って雲ノ平まで来ないですよね。」だって。同感~!あははウケる~。てゆうかそりゃいないわ。「山ガールは奥多摩とか丹沢とか涸沢とか立山にいる。」という認識です。
さて、そろそろ雲ノ平山荘よりもうちょっと先も散策しようかな。小屋の中はひんやり涼しいのですが、外に出た途端に「こんなに暑かったっけ?」と思うほど暑い!
雲ノ平山荘にザックをデポして散策へ向かいます。木道を、薬師沢方面にずんずん進みます。
チングルマ畑。花が咲いている時期に来てみたい!
と、ここで写真を撮っていると、聞き覚えのある声に遠くから呼ばれる...
「ぽこさーん!!」
「!?」誰っ!?自分が名前で呼ばれるなんてあるっけ?声がする方を見ると、あっ!あれはっ!!
「りかちゃん~?!」
おぉ~山仲間のりかちゃんだ!すごい~。ここで会えるとは!
「よくわたしだって分かったね!」「あのね、服装で分かったの~!」
わたしが朝、ダラダラ出発を遅らせていなければ、雲ノ平山荘で呑気におでんとビールしていなければ会えなかったかもしれない。感激しながら立ち話...。りかちゃんは昨日入山、今朝は薬師岳に登頂して、これから雲ノ平キャンプ場にテントを張るそうです。わーいわーい!うれしいな!
りかちゃんと別れ、先に進みます。
(11:51)奥日本庭園(11:52)
ふむふむ、奥日本庭園ですか...(?)
ずーっとずーっと緑の中を歩いて行きます。
(12:11)アラスカ庭園(12:12)
ふむ、、、、アラスカ庭園ですね。(??)
雲ノ平山荘周辺の方が綺麗だから、別にわざわざここまで来なくても良かったかもしれん。。。ほんの少しの後悔を感じながら引き返しましょう。
空身なので、テント泊の人をたくさん追い抜きます。みなさん疲れているけど、雲ノ平の風景に感激しながら歩いているのが分かる~~。いいよねいいよね。うんうん。
この植物はなんだろ。
さらっと雲ノ平山荘に戻ってきました。
(12:43)雲ノ平山荘(12:44)
ふたたび雲ノ平山荘へ。
デポしていたザックを拾って三俣山荘に帰りましょうか。スイス庭園に寄ったら、半裸のおじさまが慌ててシャツ着てた...。
途中、雲ノ平キャンプ場で、りかちゃんらしき人影を望遠で激写します。たぶん、あの黄色のテントだよね?と思いながら、、、
写真拡大っ。あとで確認したらちゃんと本人でした。
てくてく歩いていると、おじさま3人組とすれ違いました。「あっ!昨日の彼女じゃないの?!」「お?」と振り向くと、「あ、やっぱり昨日の~!」三俣山荘前のテラスでお話した埼玉の山岳会のみなさんでした。サングラスしていたから分からなかった。女性がいないけどどこ行ったんだろ。「どこ行くの~?」「雲ノ平日帰りですよ~。今から三俣山荘に帰ります。」「我々は薬師沢小屋に行きますよ。」「そうなんですね~!お気をつけて。」いろんな人がちょっとずつ気にかけてくれるの嬉しいですね~。つまりこういうやり取りが、お互い遭難したときの捜索に役立つわけですね!
(13:36)祖父岳分岐(13:37)
向こうから来た男性に「ULな感じですね!ザック、カッコイイすねー!」と言われます。「おにーさんのグラナイトギアもカッコいいですよ!」と、またここでもお互い褒めあって別れる。なんだろう今日の流れ(笑)
ふぅ、またこの谷を下って登り返すのか...。よし、がんばろ...。
(14:26)黒部川水源地標(14:29)
(15:05)三俣山荘
やっとおうち(テント)に戻って来た~!
今日もハエの数がすごいです(ぐったり)。テントの中が、ハエの亡骸の海になる(ちょっと本当です。)はじめは死骸をテント外に出すのにティッシュを使っていたけど、そのうち素手で出来るようになってしまった。。
テントの中で着替えて、服を干してうだうだしていたら、隣に夫婦のテントが一つ立ちました。いろいろお話しているうちに話の流れで「ソロです。」と言うと「えっ!一人なんですかっ!」とものすごく驚かれます。男性ソロだと驚かないのに、女性ソロにいちいち驚くのは男女差別・偏見だよなぁと思うけれども、そりゃ「女は専業主婦が当たり前」の昔の時代の人からしたら、それはやはり驚くことなんだろうなぁとは思います。しかし、いちいち驚かれるのめんどいのぅ(別に怒っていない)。
三俣山荘の展望食堂でケーキを食べようと思ったらラストオーダーに間に合わなかったっーーー!!(涙)
ビールを飲んでも良かったのだけど、そういえばまだ飲んでないお酒があった!と思い出し、テントに戻ってスピリタスを三俣山荘で購入したジンジャーエール(500円)で割って飲みます。ついでにお湯を沸かして、アルファ化米とフリーズドライのお味噌汁で夕食。自分で持ってきた食材の晩御飯、今回初めて食べました。1日目と2日目は行動食しか食べてないの...。
スピリタスが登山に持っていくお酒として最適すぎる件について
そうそう!スピリタスは重量とアルコールのコストパフォーマンスが良いです!!「重量コスパが良い!」といつも言っています。登山に超絶おすすめのお酒です!!!!アルコール度数が96度だからほんのちょっとで酔える。よって、ビールのように重くなりません。そして、いざというときには燃料にも着火剤にもなりますよ。
テントの前でぼーっとしていると、18時頃「おつかれさまで~す」と声をかけられたので振り向くと、雲ノ平山荘でお話した写真好きの男性でした。今、撤収を終えて移動するらしい(なんと!?)。「えっ!これから(双六小屋に)行くんですか?」「はい、暗くなるの分かってるけどヘッドライトで頑張ります。」「お、おぅ。頑張って。お気をつけて~!」
コースタイムで2時間ほどとはいえ、到着するのは20時前になるはず。お気をつけて...。30代半ばぐらいだと思うのだけど、菅笠かぶってた。渋いぜ。(注:後で「29歳です」と連絡がありました。す、すみません...。人の年齢が分からないわたしです。)
その夜は、今回の山行の中で一番強風でした。ちゃんと風がテントの短辺に当たる向きでちょうど良かったです。ZZZzzzzz。
続く。
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