立山1泊2日雪上テン泊登山(2/2) 全員暴風に吹っ飛ばされて転がされる
2017/07/28
前回
の続きです。
0時頃から風が強くなり始め、テントがバタバタします。余りにも風が強くてテントが心配、ポール折れるかもなぁ、、、と考えながらも目が覚めてウトウトして、、、を繰り返していたら起床時間になりました。ふぅ、、起きるか...。
コースについて
ルート | 雷鳥沢キャンプ場(09:36)→(10:25)雷鳥荘→(10:52)みくりが池温泉(13:49)→(14:05)(再び)みくりが池温泉(15:05)→(15:21)室堂 |
歩行距離 | 2.15km |
所要時間 | 山行 1時間48分 休憩 3時間57分 合計 5時間45分 |
メンバー | 3人 |
参考にしたもの
「山と高原地図 剱・立山」です。GPSデータはiPhone版の「山と高原地図」で取得しています。
2016年4月17日 テント撤収とビーコントレーニング。そして下山。
それにしても風がすごいです。テントの中で寝ながらテント内の強風の様子を撮影してみました。フレームがすっごいたわんでいる。
みんなガサゴソし始めたので外に出て、強風の中テントを撤収する様子を撮影してみました。
テント撤収が完了♪
周囲を見渡すと、昨晩10張ぐらいあったテントは残り1つだけになっていました。風は強くて悪天候予報だけど、時折青空が見えます。この罠に引っかかった...のです。
出発予定時刻を少し過ぎた頃ですが、テン泊さんが「せっかく今日は全員ビーコンあるからトレーニングしよか」と言って、自分のビーコンをザックに入れて埋めに行きました。
それをハーフくんがビーコンを使って探しに行きます。プローブを組み立てるテン泊さん。
ここだ、とビーコンが示した場所でハーフくんがプローブを刺すっ。「おっ!感触が違う箇所がある」。ぽこもやらせてもらいます。「おー、やっぱり感触が違うのが分かる!」
ショベルで掘り出し、無事にザックを回収。これ、うっかり見つからなかったらすごく困りますね...
そんなこんなでキャンプ場を出発しましょーかね。昨日、3時間近くかけて整地&ブロック積んだ場所ともお別れです。。少し寂しいね。
小雨の降る中、フードをかぶって出発します。
雷鳥沢キャンプ場から室堂まで
雷鳥沢キャンプ場(09:36)
キャンプ場を出ると、昨日テン泊さんがスノーボードで滑り下り、ハーフくんとぽこが踏み抜きまくった斜面を登ります。
荷物が重いからキツイな~。黙々と登ります。。
ふと、後ろを振り返るとテン泊さんが手招きしています。なんだろー?と思って近づくと、踏み抜きから抜けずにもがいていました。
「(お腹に抱えた)ザックが邪魔で膝が上げられない。前が見えない。抜けない!」と、苦笑いしています。「これだよこれ!昨日、この抜けない踏み抜きで苦労したんだよ~。本当に抜けないんだよぉ~」。テン泊さんの腕をつかんで引っ張ります。が本当に抜けない。どうしよ。と思っていると前を歩いていたハーフくんが戻ってきてくれて、手で雪を掻き出して脱出成功!テン泊さんの荷物の量が多すぎるので、ハーフくんがスノーボードを持ってくれました。
テン泊さんは、お腹に抱えたザックで前が見えないのが嫌になったのか、ダブルザックになっていました。
斜面を登りきり、平坦なところを歩いていると、前を歩いているハーフくんが「雷鳥がいますよー」あ、雷鳥さん♪雷鳥さんは悪天候の時ほど現れるそうです。
リンドウ池周辺で風がもんのすっごい強くなってきました。ハーフくんは、テン泊さんのスノーボードを抱えているので、風で煽られて大変そうです。更に雨も強くなってきたーっ!
風に耐えながら歩いていると、超普通の普段着の外国人観光客2名がやってきます。何事?!こんな日に観光するのかな、他に人なんか歩いていないのに。ぽかーんとしながらすれ違い、すれ違った後に振り返ると、強風にふらつきながら先ほどの雷鳥を撮影していました。。。
ダイジョウブなのか...?その後、単独の外国人観光客もやってきましたが、先ほどの2人が「これ以上は危ないよ」みたいなことを言って止めていました(たぶん)。わたしも彼らを止めるべきだったのか...。ぽかーんとしすぎてそういうこと忘れてた!
みくりが池温泉を目指して歩きますが、ホント風が強い。鳥取の大山のときぐらい強い。時折、耐風姿勢をとりながら進んでいきます。強風で、地面のザラメ雪、ツブツブの雪がバチバチ飛んできて顔が痛いっ。いたああぁぁぁぁい!!↓つぶつぶの雪。伝わりますでしょうか...。
ゴーグルしておけば良かったっ!耐風姿勢でいたらそれでも耐えられず、転がされるハーフくん、ぽこ、もちろん一番荷物が大きいテン泊さんもっ。なんかもうすごすぎて笑ってしまう。命からがら?!みくりが池温泉に逃げ込みます。(写真撮る余裕なし)
みくりが池温泉(10:52)
完全にずぶ濡れねずみ状態...。
中に入れてもらって、ザックを置いてどうしようか相談します。
「ちょっと休憩したらすぐに行く?」
「オレ温泉入りたい」
「わたしは温泉に入ってもすぐに冷えそうだからやめておくね」
「僕も湯冷めしそうなのでやめておきます」
「温泉行ってきなよ~。休憩してるから。」
テン泊さんが温泉に行っている間に内部を探検。カフェがある~。
カフェメニューもたくさん。「エンマ様のホットピザ」美味しそうだなぁ。
レストランもある~。
こちらもメニューがたっくさん!
何を食べようか散々迷って、富山だしー、ということで白えびラーメン(820円)を食べて休憩しながら雑誌読みながらだらだらだらだら。テン泊さんが温泉から戻ってきたのでソフトクリーム食べたりチーズケーキ(500円)とか食べたり、、
ゆっくりしてから「よし出発しよかー」「風強いよ?」
外を偵察しに行くと、バックカントリーツアーの集団かな?が室堂に向けて歩いています。
が、暴風にバタバタ倒されていました。。。こ、これは。。。
しばらく様子を見てから、強風ではあるけれども、バックカントリーの人たちも行ってるし、室堂まで10分の距離だし行っちゃおうかということで出発することに。たった10分の距離ですし。早く下山して温泉に入りたいよー。
みくりが池温泉出発(13:49)
準備して外に出ます。それにしても、すごい強風。。。これ進めるのかな?!
みくりが池温泉を出発して数分、物凄い横風で耐風姿勢をとります。しかし!それでも横風でみくりが池の方に転がされるーっ。こんな強風初めてです。人生最大風速(35.9m/s)を記録した、伯耆大山の時より強いです。ということは、最大瞬間風速40m/s超えなのではー!?テン泊さんとハーフくんを見るとやはり(?!)暴風に転がされています。てゆーか、テン泊さんの前にいたはずのハーフくんが、気が付いたらテン泊さんの後ろに転がされてるー!なんじゃこりゃ。テン泊さんはスノーボードが煽られて余計に大変そうです。
ま、全く進めない...。風が弱まった隙にささっとふたりのそばに行き、「これは一旦戻ったほうがいいのでは?!」と相談。テン泊さん「...(5秒経過)。よし、小屋に戻ろう!」
そうと決まれば、風に耐えながら風が弱まった隙にダッシュ!20mも進めずに撤退って、、、すごいぞ...。(写真撮る余裕なし。)
再び、みくりが池温泉(14:05)
みくりが池温泉に戻ると、宿泊客が玄関付近でわらわら外の様子を伺っていました。小屋のスタッフさんが「強風で窓ガラスが割れる!!」と大慌てで補強作業を行う中、いそいそと中に入れてもらいます。
ザックを置かせてもらいぽこはトイレに手を洗いに。戻るとハーフくんが年配の女性達に囲まれて、さながら囲み取材のようになっていました。「風どうだった?」「よくがんばったわねぇ」などと声をかけられ、さわやかに応対するハーフくんにイケメンの本質を見た気がする。イケメンすげぇ(驚...)
これはもう焦っても仕方がない。。しばし停滞...雑誌読みながらダラダラ。テン泊さんは、チーズケーキを食べ始めました。はぁ、、、ここは本当に落ち着くわぁ。。
時折風が弱まったような気がして様子を見に行きますが「全然ダメだ」。そして、約1時間が経過。
ふたたび室堂目指して出発(15:05)
「風が弱まったぽい。そろそろ行こう!」と出発。風は少し収まりましたが今度はホワイトアウトしています。みくりが池温泉から室堂が先ほどまでは見えていたのに、今は全く見えません。風があるにはあるけど先ほどの「人を転がす暴風」と比べるとへでもない。余裕の風です。暴風で転がされるよりホワイトアウトしているほうがマシです。写真撮る余裕があるよーん。るるる~。
そうそう!テン泊さんのスノーボードは「強風で運べないので置かせてください。来週友人が取りに来ます」と言ってみくりが池温泉に預かってもらいました。
ピースする余裕もあるよーん。
るんるん室堂に向かって歩いていきますが、先ほどの暴風で登山道・観光道を示す竹ざおが折れまくっている!ロープもめちゃくちゃになってる!
さらに、、、
あれっ!ザックに外付けしていたテントがないっ!
「テント無くない?」ハーフ君に聞くと「ないですね...」「...」「...」「...しょうがない、諦める(辺り真っ白で探せないし(涙)」
...
テントを紛失したことにショックを受けながら歩いていると、ぼんやりと白い中に浮かぶ建物、、、「室堂駅だ!」「わーい着いた!」
しばらくして、、、「あれっ!着いた!?」とハーフくん。え、今?(笑)。辺りが白すぎて建物が見えていなかったようです。
室堂駅の出入り口にはロープが張ってあり係員とたっくさんの観光客がいました。入ろうとすると係りの方が「おつかれさまで~す」と言ってロープを上げて中に通してくださいました。
それにしても、この天候でこの観光客の数!
室堂(15:21)
「今日は、暴風で悪天候だから観光の人は殆どいないだろうし、バスも空いていそうだよね~」なんて話をしていたのですが、そんなこと全然全く無かった!!!室堂の建物内は観光客で溢れていました。外国から観光でいらっしゃる人々は殆どがツアーだと思われます。ツアーに組み込まれていたら天候なんか関係無く、交通機関が動いている限り行かないと行けないんですよね。ホワイトアウトした室堂しか見れない観光客のみなさん、せっかく遠いところからここまで来たのに綺麗な立山が見れなくて残念ですね、、、
室堂駅の出入口に張ってあったロープ、あれはなんなんだろ。
「あれは観光客が外に出ないようにするためのロープだよね。ホワイトアウトしている中、外に出たら帰って来れなくなっちゃうし!」「えっ?じゃぁ、登山装備の人しか今は外に出れないのかな?!」「たぶん、そうだと思う」
ほぉぉ~~。
すっかり遅い時間になってしまいました。バスとケーブルカーで立山駅に下山します。バスは必ず座れるけど、ケーブルカーはやはりギューギューでした。
落し物連絡
テントを落としたので、、、(涙)心当たりのある箇所に電話しました。
みくりが池温泉「外で落としたものは分かりませんねぇ。今忙しいので...。室堂に連絡してください。」名前は聞いてくれたけど、連絡先は聞かれず。なるほどそういうことですね...。
室堂に電話すると同情してくれながらも「駅に届くことは少ないと思うので、山岳警備隊に連絡してください」。はい、そうします。(これ、たらい回しになるやつだな?)
富山県警に連絡するとすぐに山岳警備隊につないでくれて、連絡先と名前を聞かれて丁寧に話をきいてくれました。初めからここに電話すればよかったぁ(涙)
下山後の温泉&食事
白樺ハイツ
立山駅前の駐車場から白樺ハイツの日帰り温泉へ直行します。大人610円。リンスインシャンプーだったので、気になる方はシャンプーコンディショナーを持参しましょう。露天風呂有となっていましたが、窓ガラスで覆われていたので、半露天風呂という感じかな?利用者が少なかったので、ゆっくり利用できました。
有磯海SA
有磯海SAのレストランでお食事。名前忘れたけど1500円の定食を頂きました。
富山名物の白えびの唐揚げやお刺身がついてて豪華で嬉しい~。しかも、カロリー499kcalぐらいだった!ヘルシー♪白えびってさっぱりした味わいですね。
まとめと反省
- 青空が見えてるからって余裕をかまさない。
- 雷鳥沢キャンプ場を出るときから強風だったので、初めからゴーグルを付けるべきだった...。
- 悪天候が予想されるときは、小康を保っている間に素早く行動しましょう。
- 大事なものは外付けしないようにしようね...(涙)
- 写真を撮る余裕がない箇所が2日目には多々あり。
- 立山はとても美しいところです。外国人誘致に力を入れているみたいだけど、日本人ももっと行ったらいいのになぁと思います。夏の立山も綺麗だろうなぁ。
- 白えびより、甘エビの方が味がしっかりしているので好みです。
- わたしのテントはどこ行ったんだろうね、、、(;Д;)落としたのは、暴風で撤退したときのタイミングとしか考えられないのですが、、、
後日談
わたしたちが立山に行った翌週に、四国のお友達、ねこさんとみっちゃんが立山に行ったので「ついでに気が向いたらチラッと見てくれませんか」とお願いして探してもらいましたが見つからず...。わたしたちが行ったときには凍っていたみくりが池も、翌週には溶けてきているみたいだから、池に落ちたのかも...。
今回使用したアバランチギア
ビーコン
3台中2台はやまどうぐレンタル屋でレンタルしました。たまたま3台とも同じ機種でした。表示が分かりやすく・見やすくて使いやすかったです。
ショベル
テン泊さんのショベル
プローブ
全部マムートですな。
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